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Advertising

The Sapeurs

Behind the Lens

Behind the Lens

このキャンペーンで中心的な役割を果たした、二人の人物に撮影秘話を聞きました。コンゴで誇りを持って生きている人達、サプール(Sapeurs)を描いた広告です。

Guinness harp logo

ギネスの広告の話が決まった時、どのように思いましたか?

Guinness advertisement creative Nadja Lossgott

それは、すべてのクリエイターの夢です。"Surfer", "swim black", "noitulovE"、それらすべてが象徴的な広告です。ギネスの驚くべきところは、カタチに捉われないということです。魔法のレシピはありません。それは手に入れたくなるブリーフですが、手に入れたらたくさんのことに従わなければならず、制限が増えてしまいます。

あなたの原点とは何ですか?

私たちは、「MADE OF MORE」が意味することを明確に表現し、具現化する新たな方法を発見したいと思いました。そのためには、力強いヒューマンストーリーが必要だと思いました。

“戦争の惨禍から抜け出そうという国で、尊厳と喜びを持って暮らすことができるなら、彼らは全世界にインスピレーションを与える象徴になれると思いました。”

なぜサプールだったのでしょうか?

サプールは特別な人たちでありながら、それと同時に、皆と同じようにタクシー運転手であり、大工であり、労働者でもあります。それが、まさしく私たちが求めていたものだったのです。

彼らを際立たせているものは何ですか?

彼らは、お洒落に徹底的にこだわることによって、日々の困難を乗り越えているのです。戦争の惨禍から抜け出そうという国で、尊厳と喜びを持って暮らすことができるなら、彼らは全世界にインスピレーションを与える象徴になれると思いました。

真のメッセージはファッションを遥かに超えたところにありますよね?

そうです。スーツに包まれた彼ら自身の内面にあるのです。あらゆる困難を乗り越えられる、強い魂を持った男たちの内面のを捉えたかったのです。彼らは、自分がどうあるかは自分で選べるということを、身をもって証明しているのだと思います。

この広告で、大切にしたことはなんですか?

サプールはこのショーの主役でしたから、俳優を使うよりも、実際にブラザビル出身の男性を起用したいと強く思っていました。彼らが何者であり、何をしているのか。その中心にあるのは、サプールとしての誇りです。私たちは真実を伝えたかったので、彼らが自身の言葉で語ることが重要でした。

撮影中に直面した課題についてお話しください。

私たちの当初の希望はもちろん、ブラザビルで撮影することでした。しかし、すべての制作クルーを現地に運ぶには、物流の面で大きな問題が生じました。そのため、サプールにダーバンまで飛んでもらいました。ダーバンは、様々な場所を検証した結果、ブラザビルの光や植生、都市景観の質を再現するのに最適な場所であると判断しました。ほとんどのサプールは国外に出たことがなく、撮影に携わったこともありませんでしたが、彼らは熟練のプロのように振る舞ってくれました。

イギリスのインディーズのロックバンドをサウンドトラックに採用したのはなぜですか。

正直に言いましょう。私たちは膨大な数の曲を視聴しました。その作業を開始した時、私たちの頭の中には強い考えがありました。それは、世界中の聴衆を結びつける曲であることに加え、サプールの精神を表現するような強さを持っている必要がありました。さらに、コンゴの男たち一人ひとりの人生を映し出し、心に響くエンディングへと続く曲を見つけるために時間を要しました。ザ・ヘビーは、私たちが探していたものをすべて備えたバンドでした。'What Makes a Good Man'というタイトルもぴったりでした。

このキャンペーンがなぜそれほど聴衆の心に訴えたと思いますか?

サプールは、ただの普通の人たちでありながら、生きている幸せに気づかせてくれる存在です。しかし、その方法はかなりユニークで、視覚に訴えるものがあります。その組み合わせが人々の共感を得たのでしょう。